新喜劇王

結論:めちゃくちゃ最高な映画でしたよ!!

週に2、3本は映画みるんですが新作は劇場にいく都合がつかずめったに行かないんですけど、実は周星馳監督のファンでこの新喜劇王だけは絶対見に行きたくて、少し前行ってきました。数週間たって思うところあり冷めやらぬ興奮、なのでかきます。

(画像は無関係)

今はやってないけど周星馳のニュースを見るために中国語(普通語ですが)をやってたりとかして、それで2年くらい前から中華系のニュースで喜劇王の新作やるで〜!!っていうのでめちゃくちゃ楽しみにしてたんですよ…でも2年たっても全然公開されないし最近はマトモな映画とってる周星馳先輩とはいえ今回はもうコケたのでは………?日本上陸できずにDVDとかでこっそりやるのか…………???とかめちゃくちゃ失礼な心配までしだしてたし(ミラクル7号をはじめとする数々の映画としての失敗が思い出されちゃって普通にコケたのかと)結局コロナで最近まで映画館も閉まってましたからね。。。

ようやく映画館も開いて、ふとみたら公開ポスターが!!!!やった!!!!やっぱちゃんと日本!!!しかも田舎のこんな映画館に!!!!来てる!!!!忙しくてあまり情報チェックもしてなかったので天が与えしチャンスとばかりに張り切って行ってまいりました。。

ネタバレはないので安心して読んでいいんですが、冒頭書いた通り最高でした(個人的には。)周星馳の映画って全然誰にも進められるわけじゃないしオススメ映画は?と聞かれた時に周星馳映画を進めるのはかなりのハイリスクであります。それくらい好き嫌いは別れる作風。少林サッカーだけだね、人前で面白いって言えるのは……(めちゃくちゃ失礼)

でも映画って『好きな映画』と『いい映画』と『勧められる映画』の3種類があると思うんですよ。好きな映画がいい映画とは限らないし、いい映画だからといって勧められるとも限らない。難しいよね。周星馳の映画はいい映画だとはちっとも思わない。面白いし大好きだけど、好きなだけで本当のいい映画とは違うと思うんですよ。いい映画なら周星馳は絶対挙げない(笑)

でもそれを越しての、超越しての絶対的な『好き』という感情が残るから『好きな映画』なんです。これはどの種類の映画よりも強い感情論の話、好きの話。時空を超え、映画的理論をもはるかに超える愛の部類。それが『好きな映画』。

周星馳監督作でいえば、今回の新喜劇王は私の中での周星馳の好き度の高さにまたまた大きく貢献してくれました…!!!好き度の更新、これは強いですよ……!!

まず、新喜劇王は99年に周星馳が主演した映画の完全自己リメイクで、実は99年版はまあ”周星馳らしく”ドタバタで適当に愛の形にして終わる、といういい映画としての要素はちょっと無いな、と言うもので、周星馳映画ってまあだいたいそうなんで今回も映画としては期待していなかったし、実際家族が劇場に一緒について行く!と言い出した時には「いいの?周星馳の映画って映画としてはそんなに期待出来ないかもしれないし例えて言うなら植木等の映画って見たあと何も感想浮かばないじゃん?多分そんな感じだけど大丈夫??」とめちゃくちゃな予防線を張ってしまった最低なファンだったので、どうなるかいろんな意味でハラハラしてたのです。だってあの周星馳ですよ?美女の顔にウニを何個も刺したりする映画をつくる周星馳監督作を人に勧める……??(語弊ありまくり)

一緒について来た人に「つまらん」なんて言われたらそれこそ立ち直れないじゃないですか。星爷(周星馳の愛称)ファンの新規獲得に失敗するのかもしれない。それはアウトですよ!!

ストーリーは原作?と同様売れない俳優が頑張ってスターになるという王道努力ストーリーなんですが、監督自身はもう俳優やらないし、しかも主演が女の子になってる!!でも、凄く映画としてはまとまってた。

テーマはズバリ『努力すればチャンスはやってくる』。

これ、監督が20年以上映画とってて、成功したからこそ描けるものだと思ったんですよ。周星馳は前述した通り美女の扱いも独特で今回の映画でも笑いの中に「これでもか!これでもか!」というくらい暴力的表現がなされてるんです。

笑いと暴力、そのギリギリな線を攻める絶妙なバランスセンス。そのどちらかに傾いて触れるとただの暴力映画やつまらないお遊びシーンになるところを本気で主人公の女の子を集団で叩きまくったりしてる。のに、普通に笑えるシーンになってる。

文章にすると普通に集団暴力シーンでゲラゲラ笑ってる異常な人みたいになってしまうが…ちょっとこういうセンスは言葉では説明できないので是非見てほしい。とにかく、そういうある種ギリギリの笑いをずっとやってきた。あ、笑いのジャンルというか、ベクトルではクレヨンしんちゃんに似てるかもしれない。臼井儀人先生も結構ギリギリな笑いだったり時代として許されてきたオカマやドブスで笑いを成立させてた。周星馳監督もそんな感じで、実際最近の映画、西遊記ぐらいまでは結構そういった今やアウトな(どう見ても女装したブサイクを低く扱うなどの)笑い表現をやっていて見ていてハラハラしたものだ。中華圏だから笑いとしては許されるけど、今や世界の周星馳!!!

そして表現者としてはそれはアウトだし、一ファンとしては今後もっと広い世界で活躍していきたいならそういった表現は控えて欲しいと切に願っていた。

話がそれてしまったが、とにかくそういったギリギリな笑い、を今回は差別的表現が無く成立させている。にもかかわらず、笑いに対する方向性や姿勢はかわらないあくまでも徹底的にやってのける、徹底的に打ちのめされるからこそ面白い!という、ある種の強いこだわり。

これって、監督はずっと変わってないと思うんですよ、笑いの表現に対する姿勢は。20年、ずっと。

20年ずっと同じことをやり続けられる人ってすごくないですか?単純に。

売れれば売れるほど、いろんな制約もあり(しかも中華圏は特に厳しい)、そして長くやれば時の流れに伴って変わらなければいけない。その中でずっと同じことを、姿勢を変えずにやり続けられる、そして自分の表現をやるにはどうしたらいいのか?を考えられる人間ってはたしてどれだけいるんでしょうか。途中で自分の表現を曲げてしまうかもしれないし、作ること自体を手放すかもしれない。

独特の笑いセンスを長い年月、情熱をかけて曲げずにやってこれたのは裏ではものすごい努力があったはず。独特すぎて受け入れられなかった時期ももちろんあるかもしれない。俳優としての葛藤もあったと思うし、実際俳優業はやめて監督業に専念するとして、映画を取り続けた。いろんな挫折と今日の監督としての成功が「努力すればチャンスはいつかやってくる」というテーマを彼のものにしてるんだと思いました。

それは、「20年前の自分は「努力しても成功するとは限らない」と思っていた。でも今は違う。「努力すればきっと成功する」と信じている」といった監督のインタビューの言葉にもあらわてると思います。

そんなのめちゃくちゃカッコよくないですか……??

ラストで、映画の主人公は苦難を乗り越え女優として大成しますがストーリー以上に映画の背景にあった、そうした監督の歩んできた道を思って、劇場では号泣してしまった……ありがとうありがとう、星爷!!!!!!おめでとうおめでとう…!!!かっこいいよーー!!!男だあんたは!!!!

一緒に着いてきた連れも「エネルギッシュな映画だった」「植木等とかいうけどぜんぜん違うやん!泣けたわ!!」と概ね好感触だったので私的にも本当に救われた思い。

香港が今後どうなるのかわからない。Googleにすらアクセスできないような国の法律が適応されてしまった。彼がそれらに対してどんな声明を出してるかは知らないが今ニュースを調べたらいろんな消息が乗っていたので安心した(むこうはかなり細かい消息、行動?がニュースになるみたい、よくわかんないけど)

今後もめちゃくちゃ応援してるので絶対映画取り続けて欲しい、私のアイドル!!星爷!!!

すぎなみは周星馳監督を応援しています。


Web拍手ありがとうございます!!はげみになるー

>どべさん

ありがとう先輩〜!!!(?)そんなに固められてたんすか(笑) 自分あんま見てなかったけどたぶん固められてたのは姉妹雑誌だけだった気が…コロナもはじまってたから部屋もたぶん人少なかったです。自粛はじまってなかったとはいえ、電車のるのヒヤヒヤしちゃった( ̄▽ ̄;)